皆様、こんにちは。
近年、国土交通省は、脱炭素社会の実現にむけ、今後の住宅・建築物について 「省エネ対策の加速(新築・既築)」「木材の利用促進」などの観点から、省エネルギー対策と建築基準制度の見直しを進めていくと発表しています。
そのうちの「省エネ対策の加速」として、「2025年度以降に新築する全建築物に省エネ基準への適合を義務付ける」と発表されています。
現行法では、延べ床面積300㎡以上の中規模・大規模建築物(非住宅)までが、省エネ基準への適合義務対象となっておりますが、2025年度以降からは、小規模建築物(非住宅)や住宅についても対象となります。
2050年のカーボンニュートラルのタイムリミットに向けて、温室効果ガスを排出せず、電気をできるだけ“買わない”活動が世界中で求められるようになっています。なかでも住宅の省エネ化は大きな課題です。
家庭部門の省エネを強力に推進するため、住宅の断熱性の向上や高効率給湯器の導入等の住宅省エネ化を支援する新たに創設された3つの補助事業の総称『住宅省エネ2023キャンペーン』が始まりまりました。国土交通省・経済産業省・環境省の3省が支援する補助事業となります。
今回、その内容についてご説明していきます。
◆『住宅省エネ2023キャンペーン』の補助事業
①こどもエコすまい支援事業→国土交通省
②先進的窓リノベ事業→経済産業省・環境省
③給湯省エネ事業→経済産業省
◆補助額(補助上限)
①こどもエコすまい支援事業
【新築の補助額】(上限)
100万円/戸(1申請/戸・世帯)
【リフォームの補助額】(上限)
工事内容と世帯属性に応じて、5万円※~60万円/申請
(世帯等属性に応じて30万~60万円/戸)
②先進的窓リノベ事業
【新築の補助額】(上限)
対象外
【リフォームの補助額】(上限)
工事内容に応じて、5万円~200万円/申請
(200万円/戸)
③ 給湯省エネ事業
【新築・リフォームの補助額】(上限)
設置する給湯器に応じて、5万円または15万円/台
(戸建:2台/戸 共同住宅等:1台/戸)
※②③の補助を受けている場合2万円。
下記サイトではリフォームにおける補助対象をご確認いただけます。
是非ご参考にしてください。
◆各それぞれの内容
★こどもエコすまい支援事業
※上記サイトでご確認下さい。
★先進的窓リノベ事業
「住宅の断熱性向上のための先進的設備導入促進事業(先進的窓リノベ事業)」は、断熱窓への改修促進を図ることで、省エネルギー住宅を増やす目的で設置されました。
補助の対象部位は窓だけです。ドアは対象外です。リフォーム工事のみ対象で、新築は対象外です。
〇対象となる世帯
全世帯が対象
〇対象となる工事
・住宅の所有者がリフォーム事業者に発注(=契約)して実施するリフォーム工事
・補助額が5万円以上である
【工事内容】
・ガラス交換
既存窓のガラスのみを取り外し、既存サッシをそのまま利用して、複層ガラス等に交換する工事
・内窓設置
既存窓の内側に新しい窓を新設する または 既存の内窓を取り除き、新しい内窓に交換する工事
・外窓交換
(カバー工法)
既存の外窓を交換する際、古いサッシの枠の内側に、少し小さな窓を取り付ける工事
(はつり工法)
既存の外窓を交換する際、古いサッシを枠ごとを取り除き、新しいサッシに交換する工事
〇対象となる住宅
戸建住宅及び共同住宅(集合住宅)
〇対象となる期間
令和4年(2022年)11月8日~令和5年(2023年)12月31日に工事請負契約を締結し、
リフォーム事業者の事業者登録の後に工事を着工、令和5年(2023年)12月31日までに工事が完了
〇対象となる窓の性能基準について
窓のリフォームが対象といっても、どんな窓でもいいというわけではありません。
リフォーム後の窓が一定の性能以上でないと補助対象になりません。
ではどんな窓ならいいのか?その基準が「熱貫流率」という数字です。
「熱貫流率」とは、わかりやすくいうと窓ガラスをどのくらい熱が通過するか、ということです。
夏の暑い時期に外の熱が窓ガラスを通して室内に入ってきてしまえばいくら冷房をつけていても室内の温度は下がりにくくなります。逆に冬の寒い時期に暖房を効かせた室内の熱が窓ガラスを通って外に出てしまえばいつまでも寒いまま。。。つまり窓の断熱性能が高いということは、エアコンの効率を上げることができて結果として省エネになる、ということになります。
熱貫流率は数値で表されます。単位はW/㎡Kです。今回の補助金のリフォーム後の窓の熱貫流率の基準は以下の表の通りです。
住宅の種別
《戸建住宅 低層集合住宅(3階建以下)宅の種》
・ガラス交換→1.9以下
・内窓設置→1.9以下
・カバー工法→1.9以下
・外窓交換→1.9以下
《中高層集合住宅(4階建以上)》
・ガラス交換→1.9以下
・内窓設置→1.9以下
・カバー工法→1.9以下
・外窓交換→1.9以下
断熱性能が「高い」=熱貫流率が「低い」ということです。
つまり、数字が小さい方が性能が高いことを示しています。ですから基準でも「以下」となっています。
詳しくは『先進的窓リノベ事業』をご確認ください。
★給湯省エネ事業
〇補助対象となる方
・給湯省エネ事業者※1と契約※2を締結し、以下①~④のいずれかの方法により
本事業の対象設備である高効率給湯器(対象機器)を導入する
①新築注文住宅に、対象機器を購入し、設置する方法【工事請負契約】
②対象機器が設置された新築分譲住宅(戸建または共同住宅等)を購入する方法【不動産売買契約】
③リフォーム時に、対象機器を購入し、設置する方法【工事請負契約※3】
④既存給湯器から対象機器への交換設置を条件とする既存住宅※4(戸建または共同住宅等)を、購入する方法【不動産売買契約】
・対象機器を設置する住宅の所有者等である
〇補助対象となる住宅
①新築住宅である
②既存住宅である
※上記①または②に該当する住宅が、補助対象住宅
〇対象となる期間
令和4年(2022年)11月8日~令和5年(2023年)12月31日に工事請負契約を締結し、
リフォーム事業者の事業者登録の後に工事を着工、令和5年(2023年)12月31日までに工事が完了
〇対象となる機器
・一定の性能を満たす高効率給湯器である
※下表の製品で、それぞれの性能要件を満たしたものを事務局が登録します。
●家庭用燃料電池(エネファーム)
→都市ガスやLPガス等から水素を作り、その水素と空気中の酸素の化学反応により発電するもの。エネルギーを燃やさずに直接利⽤するので⾼い発電効率が得られます。また、発電の際に発生する排熱を回収し、給湯器としての役割も果たします。
補助額・・・15万円/台
●電気ヒートポンプ・ガス瞬間式併用型給湯機(ハイブリット給油機)
→ヒートポンプ給湯機とガス温水機器を組み合わせたもの。
ふたつの熱源を効率的に⽤いることで、エコキュートより⾼効率な給湯が可能になります。
補助額・・・5万円/台
●ヒートポンプ給湯機(エコキュート)
→ヒートポンプの原理を⽤い、夜間電力や太陽光で発電した電力を有効に利用して冷媒の圧縮・膨張サイクルによりお湯を作り、貯湯タンクに蓄えて必要なときにお湯が使えます。
補助額・・・5万円/台
※他の補助金との併用はできる?
本事業と補助対象が重複する国の他の補助制度との併用はできません。 地方公共団体の補助制度については、国費が充当されているものを除き、併用可能です。
◆交付申請期間(予定)
2023年3月下旬~予算上限に達するまで(遅くとも2023年12月31日まで)
※いずれの事業も、締め切りは予算上限に応じて公表します。
※補助金の交付申請を含むすべての手続きは、本キャンペーンに登録された住宅省エネ支援事業者が行います。
※住宅省エネ事業者登録→弊社(髙津建設)では、「こどもエコすまい支援事業等」「先進的窓リノベ事業」「給湯省エネ事業」の事業者登録していますので、お気軽にご相談ください。
工事の終了後、交付申請を行います。
◆補助金の交付
原則、補助金は住宅省エネ支援事業者に交付され、工事の発注者は、住宅省エネ支援事業者から補助金全額の還元※を受けます。
(※給湯省エネ事業については、直接工事の発注者(消費者)に補助金が交付されます)
※補助金全額の還元は、工事代金への充当または返金のいずれかの方法で行われ、交付申請前に工事の発注者と住宅省エネ支援事業者の間で取り決めます。
◆まとめ
今回の3省連携による住宅の省エネ化支援の補助制度ですが、過去最大の予算規模で還元率も高くなっております。
住宅の省エネ化は環境問題の解決はもちろん、私たちの暮らしを安全で快適に過ごす効果(例えば、結露を減らしカビの発生を抑える効果、断熱により「ヒートショック」等リスク軽減の効果)があります。
また住宅の省エネ化は、光熱費の削減にも貢献します。高度な省エネ住宅への住み替えによって、寒冷地では年間208,333円、温暖地では年間159,362円の光熱費削減になると推測されています。
今一度エネルギー価格の高騰などにより、私たちの生活にも大きく影響している今だからこそ、住宅の省エネ化を考えてみませんか。
株式会社 髙津建設では、様々な補助金の提案から申請代行まで行っております。
ご自宅、事務所などでお困りごとがございましたら、お気軽にお問い合わせください。
〒820-0111
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